側弯症の手術について

弯曲が50度以上となると、手術が必要です。弯曲手術は、スクリューやロッドを挿入し、脊柱を矯正する手術ですが、これも完治することは無いというのが難点です。

 

しかし、弯曲が50度以上ともなれば脊柱の変形を矯正しなければなりません。実際には脊椎を金属で固定して弯曲を矯正していく方法となります。手術には、前方アプローチ、後方アプローチがあり、各患者の年齢、や弯曲部位、角度等で異なってきます。

 

手術後のベッド上安静の期間は患者の状態により異なりますが、おおよそ術後5日~1週間経過したら、コルセットを装着して歩行するのが目安です。コルセット(固定装具)装着期間も患者の状態で異なりますが、おおよそ術後3ヶ月程度は装着することになります。

 

また、手術をした場合は合併症についても注意しなければなりません。それは「脊髄・神経根の損傷の可能性」、「出血の可能性」、「椎体周辺の大血管、臓器損傷の可能性」(前方アプローチに限る)、「◾スクリュー、プレート等折損の可能性」、「感染の可能性」、「深部静脈血栓症の可能性」などが挙げられます。

 

当然ながら、より安全で侵襲の少ない矯正固定術が求められるわけですが、日本側弯症学会の幹事を務めている側弯症治療のスペシャリストの医師によれば、その対策として、必要最小限のスクリューで矯正するようにしているそうです。

 

側弯症矯正固定術は、椎骨にネジを打ち、矯正固定する方法が一般的で、ネジの数を多くすれな、1本にかかる負荷が減少し、破損トラブルなどが減少する可能性があるのです。しかし、ネジは脊髄や神経根、大動脈の近くに挿入するので、そのために工夫し、できるだけ少ない数のネジで同等の矯正が得られるよう考えているそうです。カーブの大きさ、使用する金属の種類により、スキップさせる場所やネジの本数を調整するそうです。更に、より良い手術方法が見つかることを祈りたいものです。